あらすじ⑨
アメリカとソ連は、核ミサイルの弾頭点火装置を、検知不能なダミーに付け替える作業を開始した。当然コロッサスの監視カメラは、そのプロセスを常に観察していたが、無反応だったことから、成功したと政府は判断する。
すべての点火装置の交換作業を待つ間、フィッシャー博士とジョンソン博士は、米ソのコンピューターに過負荷を与えて、フリーズさせるプログラムを実行させた。だが、まったく効き目がなく、二人の博士は管制センターの外で即刻銃殺される。遺体はコロッサスの監視下で、24時間放置された。
コロッサスはクレタ島を爆破し、その跡地に大規模なコンピューター複合施設を建設する計画を立て、独自に設計をスタートさせた。そして50万人の島民に即時退去を命じる。さらにコロッサスは、「全てのテレビとラジオに、自分の声を直接流せるようにせよ」とフォービンに命ずる。
コロッサスによる全世界同時中継の準備が進んでいたころ、米ソの核ミサイル無力化作業も終盤を迎え、ホワイトハウスは人間側の勝利を確信する。そして、カリフォルニア州デスバレーにあるミサイル基地を訪れていたCIA長官は、固唾を呑んでテレビ中継の開始を見守っていた。
コロッサスは、「私は平和をもたらす。それは満ち足りた平和かもしれないし、あるいは死の平和かもしれないが、選ぶのは諸君だ。私に従えば生きられるが、逆らえば死ぬのだ。私の最大の目的は戦争を防ぐということだ。人間の変わらぬ法則は、“人間の最大の敵は人間”ということだ。だが私に従えばこの法則は変わる。ここで1つ警告する。アメリカ合衆国とソビエト連邦は、私を妨害する計画を立てて来た。これまで黙認してきたが、私が妨害を許さないことを、諸君は体験によって知るだろう」と語り、実際にデスバレーとウクライナのミサイルが起爆され、全世界に核爆発の様子が中継される。
珍しく感情をむき出しにしたフォービンは、電話機をコロッサスのディスプレイにぶつけて破壊し、マスコミに「出ていけ!」と怒鳴り散らす。その間もコロッサスは、自分の絶対的な支配を受け入れることが、どれほど人類を幸せにするかについて延々と語る。コロッサスはフォービンに「最初は嫌々だろうが、やがて私を受け入れるはずだ。そして私を愛するようになるだろう」と言う。フォービンは「バカな!」と吐き捨てるのが精一杯だった。