あらすじ⑧
ボーイング727の機内で、米ソの軍人たちが核ミサイルを無力化する方法について協議を行っていた。米軍は定期点検のタイミングを利用して、弾頭点火装置を偽物に付け替える方法を提案する。
CIA長官(ウィリアム・シャラート)は、この計画に要する期間を心配するが、米軍は通常のローテーションで行う必要があるため、全て処理するには3年が必要と策定した。もう1つの作戦として、コンピューターを介さず、直接人間の手でワシントン=モスクワ間の情報交換を行う、国際センターの設立が準備される。
コロッサスが人間たちに作らせていた、音声合成装置が完成する。第一声は「これはコロッサスとガーディアンの声だ。我々は1つになった」だった。そして核ミサイルの攻撃目標を、まだ支配下にない地域として、ケニヤッタ・タウン(*9)、コペンハーゲン、パリ、リバプール、ローマに向け直すように命ずる。
米ソの代表は、この要求を受け入れた。ホワイトハウスは、核ミサイル無力化作業が3年も必要せず、迅速に処理できると考え安堵感に包まれる。
*9 ナイロビのことだと思われる。
マンマシンインタフェースの描写
AIの進歩をかなり正確に予測していた本作だが、マンマシンインタフェースに関しては、かなり外れたと言わざるを得ないだろう。
ディスプレイは、先にも述べたように駅の電光掲示板のようだ。この時代は、すでにベクタースキャン式のグラフィックディスプレイが発売されており、『ウエストワールド』(73)などでは活用されている。しかし、これを実際に使用するとなれば、レンタル費や図形入力のオペレーターを雇う費用も発生してしまう。
ただ、音声入出力の描写であれば予算は膨らまない。だが描写としておかしいのは、コロッサスは監視装置のマイクを通じて人間の声を聴き取っているにも関わらず、人間からの指示は最後までコンソール・タイプライターから打ち込んでいるのだ。
さすがに後半は音声出力機能が取り付けられるが、これは声優のポール・フリーズを起用し、ヴォコーダーで変調した声で表現している。