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『コンタクト』未知なる感情をどう表現するか?特殊効果との融合によって進化を遂げたジョディ・フォスターの名演

『コンタクト』未知なる感情をどう表現するか?特殊効果との融合によって進化を遂げたジョディ・フォスターの名演


映像の細部まで緻密に組込まれた特殊効果



 『コンタクト』の成功は、宇宙や生命の深淵を感じさせる濃厚なストーリーと、見れば見るほど奥深いゼメキス流の映像マジック、そして珠玉のキャスト陣が織りなす演技による賜物だ。本編時間は150分だが、これほど繰り返し鑑賞するのに耐えうる作品は珍しい。とりわけ「観客が気付かぬほどの些細なシーンにも特殊効果を組み込む」というゼメキス流の創造性がいかんなく発揮されている点は注目に値するだろう。


 なるほど、いま改めて細かく観てみると、どれだけ手の込んだ映画であったかがわかってくる。例えばまだ小さい頃のヒロインにしても、彼女を後のジョディ・フォスターへと繋げていくために、瞳の色を特殊効果であえてブルーに変えたのだという。その上、デヴィッド・モース演じる父親の動きは冒頭からあえてぎこちないものに見えるよう微妙に加工されているのだとか。


 他にも、空の色や映像の明るさといった手の込んだ微調整から、CGで描かれた壮大な宇宙空間や曲がりくねったワームホール、大挙して押し寄せる群衆や、宇宙への出発におけるスペクタクルシーンに至るまで、全体を見渡しても特殊加工が加わっていない場面はほぼ皆無に等しいのではないかと思えるほどだ。



 それだけではない。ゼメキスは各々の場面の撮り方もこだわり抜いている。例えば、屋外から屋内へとカメラが寄っていく場合、あるいはその逆で徐々に引いていく場合などでは、いつの間にか気付かぬうちにカメラが窓や壁を通り抜けてしまう。かつてヒッチコックなどが使った手法を、特殊効果を用いて何の違和感も感じさせない内に成し遂げているのだ。


 また時折、とんでもなく複雑で突拍子もない撮り方を駆使することがある。注目したいのは、小さい頃のエリーが望遠鏡で空を見上げている最中、階下にいる父の異変に気付くシーンだ。彼女はすぐさま洗面台の棚に置いてある薬を取るために駆け出す。この時、カメラは彼女の駆ける姿を正面からスローモーションで捉えるのだが、いつの間にかその映像はカメラで撮ったものから「鏡に映った彼女の姿」へと切り替わっている。


 おそらくこの文章を読んでも何のことやらさっぱりお分かりにならないだろう。実のところ、撮影現場でもゼメキスがここで一体どんな映像を念頭に置いているのか、ビジョンを共有するのにスタッフたちはかなり苦労したのだとか。でも、実際に映像を見れば一発で理解できる。もしもNetflixなどで本作を手軽に視聴できる環境にある人はぜひこの機会に、再生時間を「21分ごろ」に合わせてみてほしい。こんな細かい撮り方を実践してたのかと呆気にとられると思う。



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