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『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』原作から最新作『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』まで「スコット・ピルグリム」の歴史大解説 ※注!ネタバレ含みます

(c)Photofest / Getty Images

『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』原作から最新作『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』まで「スコット・ピルグリム」の歴史大解説 ※注!ネタバレ含みます

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動き出したアニメ版



 アニメ版の企画が動き出したのは遡ること2018年。映画版のプロデューサーであったジャレッド・ルボフが、エドガー・ライトに「スコット・ピルグリム」の新しいプロジェクトについての話をしたことから始まる。その時、エドガー・ライトは続編の実写化の方向は無いと伝えた上で、アニメにするアイデアを提案したそうだ。その後、2019年の初めに、NetflixとサイエンスSARUという座組みで「スコット・ピルグリム」をアニメ化する企画を、ルボフは原作者のオマリーに持ちかけた。サイエンスSARUでアニメを作るアイデアに興味をもったオマリーだが、「同じ話はしたくない」という理由から企画は宙ぶらりんになっていた。


 2020年2月、企画の打開策が見当たらない中、オマリーは彼の友人であり脚本家でもあるベンデビッド・グラビンスキーと夕食をとっていた。煮え切らない状況の愚痴を言いながら、自然と話は「どうしたら新しい物語を作れるのか」という話になった。そこで冗談半分でグラビンスキーが語ったアイデアがオマリーの心を掴んだ。その後、アニメ版の核となる「同じ物語として始まって、スコットが最初の邪悪な元カレであるマシュー・パテルとの戦いに負けて、消えてしまう」「劇中でルーカス・リーが映画版の「スコット・ピルグリム」のスコット役を演じる」というアイデアはグラビンスキーから生まれたのだ。このアイデアをNetflixとユニバーサルに持ち込んだところGOサインが出て、オマリーとグラビンスキーはエグゼクティブプロデューサー兼、共同ショーランナーとして参加することとなった。



『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(c)Photofest / Getty Images


 方向性が決まったのは良いものの、この時まだ声優のキャスティングは全く決まっておらず、当時のキャストが再び声優として参加してくれるかどうか不安だったそうだ。だが追い風は吹いていた。偶然にもこの時期に、映画版の時に作られていたメールグループのやりとりが復活していたのである。きっかけは9年前に投稿されたミームに、突然マイケル・セラが反応したことからだった。さらに被せるかたちでクリス・エヴァンスがツッコミを入れたことから、再びグループ内でのやりとりが再開したそうだ。このメールグループにエドガー・ライトも交えて、アニメ版の声優のオファーを行ったところ約3時間以内にグループ内のキャスト全員がOKを出したそうだ。結果、映画のメインキャストたちはほぼ全員アニメ版も声優を担当することとなった(ちなみに全員が売れっ子になってしまったこともありスケジュールの調整は大変だったとのこと)。




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