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最新!A24のおすすめ映画81選!もはやオスカー常連の気鋭の映画会社
A24おすすめ映画81選! 2025~2026
71.『エディントンへようこそ』(25) 監督:アリ・アスター 148分

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『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』『ボーはおそれている』に続く、A24×アリ・アスター監督による4本目のタッグ作。コロナ禍で混乱するアメリカ・ニューメキシコ州の田舎町を舞台に、ヘイトが町全体に膨れ上がって惨劇が起こるさまをひきつった笑いを交えて描いていく。ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラーといったスターが結集し、癖の強い人物になりきった。物語の軸となるのは、市長選。再選を狙うテッド(ペドロ・パスカル)と小競り合いになり、突如として市長に立候補した保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)。承認欲求が肥大化し、暴走の一途をたどっていく。
ワクチンにまつわる陰謀論やソーシャルディスタンスによるマスク警察ほか、ロックダウン中に実際に起こった人々の分断に着想を得つつ、ブラック・ライブズ・マターやビットコイン、フェイクニュース等々、現代社会のトピックを織り交ぜつつ風刺。アスター作品の特徴である「不安/強迫観念」が個人を超えてコミュニティに伝播・蔓延し、混沌化していくさまは鮮烈だ。発砲する様子をライブ配信する主観映像など、斬新な演出も随所にちりばめられている。
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72.『ウォーフェア 戦地最前線』(25) 監督:アレックス・ガーランド/レイ・メンドーサ 95分

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『シビル・ウォー アメリカ最後の日』に続き、アレックス・ガーランド監督が現代の戦争をテーマにした実録もの。米軍特殊部隊として実際に従軍したレイ・メンドーサが共同監督を手掛け、2006年・イラクの紛争地帯に派遣された8人の小隊が経験した地獄絵図を細部に至るまで再現した。
アルカイダ幹部の監視・狙撃任務についていた小隊が逆に市街地で攻撃に遭い、孤立無援状態に。増援と救出を要請するがすぐには到着せず、阿鼻叫喚状態で戦わざるを得なくなる。映像・音響演出の臨場感はもとより、モルヒネを仲間に打とうとするもパニックに陥って注射器を上下逆に持ち、自分に刺してしまうなど生々しいほどの現場のリアルが詰まっている。
A24の『ミッドサマー』や『ユニコーンを轢いた』(25)にも出演したウィル・ポールター、『ファンタスティック4 ファースト・ステップ』(25)のジョセフ・クイン、A24のドラマ「BEEF/ビーフ」シーズン2のチャールズ・メルトン、「デアデビル/ボーン・アゲイン」(25〜)のマイケル・ガンドルフィーニほか、若手実力派が集結。
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73.『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(25) 監督:ジョシュ・サフディ 149分

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実在した卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得た波乱万丈のドラマ。といっても王道のスポーツ映画とは大きく異なり、実力は申し分ないが不遜な態度で業界の鼻つまみ者だった卓球選手のマーティ(ティモシー・シャラメ)が、日本への遠征費を稼ぐために金策に走り回る犯罪劇のエッセンスが強い。ジョシュ・サフディ監督が弟のベニーと手掛けた『グッド・タイム』(17)や『アンカット・ダイヤモンド』(19)のような持たざる者が這い上がろうとするアンダードッグ(負け犬)ものであり、雪だるま式に状況が悪化する様子を笑いとパッションで駆け抜けてゆく。
卓球がまだメジャースポーツではなかった1950年代のアメリカ。親戚の靴屋で働きながら世界選手権に出場したマーティは順調に勝ち進んでいくが、日本の選手エンドウ(川口功人)に敗れてしまう。リベンジに燃えるマーティだったが、素行不良が原因で卓球協会に選手資格をはく奪され、自力で大会に強行出場しようとするもバックアップはなく、さらに不倫相手のレイチェル(オデッサ・アザイオン)が妊娠し……。
卓球日本代表の川口功人選手が出演し、日本でも撮影を実施。本国で公開されるや『バックルームズ』に抜かれるまでA24史上トップとなる興行収入を叩き出す大ヒットとなり、第98回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞ほか9部門にノミネートされた。
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74.『OCHI! -オチ-』(25) 監督:アイザイア・サクソン 95分
ビョークなどのミュージックビデオを手掛けてきたアイザイア・サクソンが長編デビューを飾ったファンタジー。猿に似た不思議な生き物「オチ」と孤独な少女の交流が、彼女の家族や村全体に大きな変化を巻き起こしていく過程を、心温まる筆致で紡いでいく。
舞台は、森に隣接した辺境の村。かの地では何世代にもわたり、オチを人に仇なす害獣として敵対視していた。そんなある日、孤独な少女ユーリ(ヘレナ・ゼンゲル)は怪我をした幼いオチと出会い、手当てをする中で絆を深める。オチを家族の元に帰そうと決意したユーリは、冒険の旅に出発するのだった。
ユーリを演じたのは、第69回ベルリン国際映画祭の銀熊賞(アルフレッド・バウアー賞)を受賞した『システム・クラッシャー』(19)で脚光を浴びたヘレナ・ゼンゲル。両親をウィレム・デフォーとエミリー・ワトソンという大御所が演じ、兄役には「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(16〜25)のフィン・ウルフハードが扮した。絵本のように牧歌的でノスタルジックな映像世界、パペットなどのクラシカルな表現技法で表現されたオチほか、微笑ましいエッセンスに溢れているが、一方でオチが人にとって危険な力を持っている部分は事実という、シビアな部分も内包。
75.『スマッシング・マシーン』(25) 監督:ベニー・サフディ 123分

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総合格闘技の祭典「PRIDE」の花形選手の一人だった格闘家マーク・ケアーの知られざる素顔に焦点を当てた伝記映画。プロレスラーのザ・ロックとしても知られるドウェイン・ジョンソンがケアーを演じ、『オッペンハイマー』(23)では俳優としても存在感を発揮したベニー・サフディが長編単独初監督を務めた。
霊長類最強と呼ばれたケアーだが、その精神はナイーブだった。活動に欠かせなかった鎮痛剤に依存するようになり、恋人ドーン(エミリー・ブラント)との関係も悪化していく。心身がボロボロになっていくなか敗北を喫したケアーは、栄光を取り戻そうと再起を図る。迫力の試合シーン以上に心をとらえるのは、ケアーの“弱さ”であろう。優しい性格がゆえに傷つきやすく涙を流したり、ドーンと衝突しては自分の肉体的な“強さ”とのギャップに苦しむ姿はなんとも痛々しく、一人の人間として描き出した手腕が絶賛されて第82回ヴェネツィア国際映画祭では銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。
日本と縁が深いケアーを描くべく日本でも撮影を行い、大沢たかお、石井慧、光浦靖子、布袋寅泰が出演。特殊メイクを手掛けたカズ・ヒロ(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ほか)は、第98回アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。
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76.『マテリアリスト 結婚の条件』(25) 監督:セリーヌ・ソン 116分

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『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソン監督がA24と再び組んだロマンチック・コメディ。現代のニューヨークを舞台に、結婚相談所で働くやり手のマッチメーカーが自身の“理想の結婚”に悩む。主人公のルーシーをダコタ・ジョンソンが演じ、元カレで気のいい性格だが売れない俳優ジョンにクリス・エヴァンス、全てがスマートな御曹司ハリーにペドロ・パスカルが扮した。
メグ・ライアンやジュリア・ロバーツが一世を風靡した90年代ロマコメの空気感を宿しつつも、マッチングアプリが普及した時代になぜ結婚相談所を利用するのか? 価値観が多様化したいまなぜ結婚を選択するのか? といった現代的な問いかけも。ルーシーとジョンが別れたきっかけに貧乏がゆえのトラブルがあったという“カップルあるある”や、完璧なはずのハリーにも悩みがあったり、結婚相談所にやってくる面々が自分のことを棚に上げて高望みをしがちなど、外見/性格/年収といった恋愛に付随する“価値”に振り回される人間の愚かしさといじらしさを、ソン監督らしい愛ある目線で見つめている。ホラー作品やエッジの効いた作家性映画が強いA24作品の中でも好調なスタートを切り、スタジオの可能性を広げた一作。
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77.『the moment/ザ・モーメント』(26) 監督:エイダン・ザミリ 103分
世界的な人気を博すミュージシャン、チャーリーxcxが本人役で主演し、大衆や業界に消費されていくポップスターを演じた異色にして痛切な暴露モキュメンタリー。マネージャーやSNS担当、音楽レーベルにライブの演出家といった周囲が本人の意向を無視して偽りのスター像を創り上げ、ムーブメントを無理やり続けようとするなか、堪忍袋の緒が切れたチャーリーがある行動に出て現場は大混乱に陥る。アレクサンダー・スカルスガルドがこだわりの強い演出家を怪演した。
監督を手掛けたのは、チャーリーxcxやビリー・アイリッシュのミュージックビデオを手掛けるエイダン・ザミリ。なおチャーリーとザミリは、三池崇史監督の新作映画でもタッグを組む予定だ。またザミリは、A24とディオールが2年間のパートナーシップを締結した際のショートフィルム「A24 meets Dior」も手がけており、A24の新機軸を担っている。そしてチャーリーxcxはアン・ハサウェイが歌姫に扮したA24の映画『マザー・メアリー』(26)に楽曲提供を行うなど、蜜月関係を築いている。A24がミュージックレーベル「A24 Music」を強化していく上で欠かせないパートナーといえるだろう。
78.『ブリング・ハー・バック』(25) 監督:ダニー・フィリッポウ/マイケル・フィリッポウ 104分

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『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』で長編映画デビューを果たしたYouTubeクリエイター、フィリッポウ兄弟がA24と再び組んだ呪詛ホラー。里親のもとで壮絶な恐怖体験をする兄妹の受難が、過激な描写満載で描かれてゆく。
父親が突然亡くなり、親切な里親ローラ(サリー・ホーキンス)に引き取られた兄アンディ(ビリー・バラット)と目の不自由な妹パイパー(ソラ・ウォン)。新たな生活に馴染もうとする兄妹だったが、時に過剰ともいえるローラの愛情、言葉を話さない不気味な少年オリヴァー(ジョナ・レン・フィリップス)の存在、家の周辺に描かれた謎めいた円など、不可解なピースがやがて1本の線で結ばれていき、恐るべき真実を知ってしまう。
アカデミー賞に輝いた『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)のサリー・ホーキンスがある目的を胸の内に抱えた狂気的な“母”を怪演。強烈にしておぞましい存在感を刻み付ける。また、『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』以上に強化されたのは直接的な痛みの表現。果物ごと包丁を口に入れ、口内や顔がぐちゃぐちゃになっても噛み続けるシーンはなんともショッキングだ。
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79.『ドラマなふたり』(26) 監督:クリストファー・ボルグリ 105分

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『ドリーム・シナリオ』に続きクリストファー・ボルグリ監督×A24×製作アリ・アスターが組んだ恋愛ブラックコメディ。結婚式まであと7日のタイミングで、新郎新婦が友人夫婦との飲みの席で「これまでに自分が犯した最悪の行為」を明かす告白ゲームを始める。だが新婦の明かした内容は到底看過できるものではなく、新郎の中に「本当にこの人と結婚して大丈夫なのか」という疑念が芽生えていき――。
自分の顔を醜く変形させることで同情票を得ようとする女性の暗部を描く『シック・オブ・マイセルフ』(22)や、“バズり”に消費される中年男性の悲哀を見つめた不条理劇『ドリーム・シナリオ』ほか、切れ味鋭いボルグリ監督の手腕は本作でも健在。婚前トラブルをシニカルな笑いで包むだけでなく、銃社会であるアメリカではタブーともいえる内容に踏み込み「結婚相手のどこまでを許容できるか?」と問いかける。新郎新婦に扮したゼンデイヤ、A24の常連俳優であるロバート・パティンソンが醸し出す気まずい空気感は絶妙で、両者の壊れっぷりがインパクトを残す。友人夫婦に扮した『リコリス・ピザ』(21)のアラナ・ハイム、『憐れみの3章』(24)のママドゥ・アティエも好演。本国を中心にスマッシュヒットを記録し、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に次ぐA24史上4位(2026年10月時点)を記録した。
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80.『バックルームズ』(26) 監督:ケイン・パーソンズ 110分

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ネット発の都市伝説「バックルームズ」をモチーフにしたYouTube短編映画を16歳で発表し、空前のブームを巻き起こしたケイン・パーソンズが同作を長編映画化。全米・世界興収ランキングともに公開初週ランキング第1位を史上最年少(20歳)で達成した。A24史上としても最高ヒットを飾り、社会現象と言っていいブームを巻き起こした。
怒りっぽい性格が原因で妻と別居し、自分が経営する家具店で寝泊まりする店主クラーク(キウェテル・イジョフォー)。彼はある日、地下フロアが謎の回廊に繋がっていることを発見する。延々と続く黄色い壁紙と蛍光灯の音、迷路のような殺風景な空間をさまよううち、彼はある存在と邂逅し――。彼の身を案じたセラピストのメアリー(レナーテ・レインスヴェ)もまた、その空間に取り込まれてゆく。リミナルスペース=本来人がいるはずなのに人気が感じられない不気味な空間を舞台に、いかにもおどろおどろしい魅せ方ではなくタッチは努めて冷静に、だが違和感や歪さが浮かび上がる設計を施したパーソンズ監督の現代的な手腕が光る。バックルームズを研究する機関も登場し、クラークやメアリーに作用して内部が変化するような“匂わせ”、メアリーの過去がフラッシュバックする演出、未回収の謎も多く残されているため考察合戦が大いに盛り上がった。続編も進行中とのうわさだ。
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81.『ワンオペレーション』(25) 監督:メアリー・ブロンスタイン 113分
心理学を研究したメアリー・ブロンスタイン監督が実体験をもとに書き下ろした、怒りに満ちた理不尽×社会派コメディ。重病の娘の世話とセラピストの仕事に追われ、終わらないワンオペレーション状態で心身ともに疲弊していく母親の現実世界/精神世界を叩きつけるように描いてゆく。ジョシュ・サフディが製作に名を連ね、アリ・アスター監督作品を手掛ける編集技師ルシアン・ジョンストンほか、A24とゆかりの深いメンバーが多数参加した。
一向に改善の兆しが見えず、ワガママが増長する娘のケア、理想論を押し付けてくる担当医、長期出張中でいないくせに口ばかり出してくる夫、承認欲求を満たしてもらおうと頼ってくる患者たち――限界状態だった主人公リンダ(ローズ・バーン)の生活は、事故で部屋の天井に穴があき、モーテル暮らしを強いられたことからガラガラと瓦解していく。手を差し伸べようとする他者の親切すらも断ってしまうほど追い詰められたリンダを解像度高く体現したローズ・バーンの演技が賞賛され、第75回ベルリン国際映画祭の最優秀主演俳優賞(銀熊賞)、第83回ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)を受賞。第98回アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。
文:SYO
1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「シネマカフェ」「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema」