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ピクサーおすすめタイトル7選+傑作短編! CGアニメがもたらす温かさと感動、そして抜群のストーリーテリング!
4.『Mr.インクレディブル』シリーズ(2作品)
超能力を持つ一家が、世界を救うために立ち上がる――。『Mr.インクレディブル』2作品は、ピクサーの中で見ても、また近年のヒーロー映画の流れから見ても異彩を放つシリーズだ。
第1作が制作されたのは、2004年。そこからなんと14年も経ったタイミングで、第2作『インクレディブル・ファミリー』(18)が制作されるという超ロングスパンになった。しかし、ブランクを一切感じさせない大ヒットを記録し、ふたを開けてみればアニメーション映画の歴代1位となるオープニング成績(当時)を収め、累計世界興収は12億ドル(歴代18位)にも上った。
ちなみに、第1作の興行成績は、ピクサー全作品の中でちょうど真ん中くらいの6.3億ドル。ではなぜここまで、数字を伸ばすことができたのだろう? 断言はできないが、1つ要因として言えそうなのは、「ヒーロー映画の台頭」だ。
『Mr.インクレディブル』が公開された2004年付近は、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズや『X-MEN』等があったものの、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)もDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)も、まだ始まっていない状態。『バットマン ビギンズ』が2005年、『アイアンマン』が2008年に公開と、『Mr.インクレディブル』以降に隆盛を極めていくのだが、まだヒーロー映画の土壌を作っている段階といえる。
M・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』(00)同様、「早すぎるヒーロー映画」だった『Mr.インクレディブル』。本作の「スーパーヒーローが、政府から活動を禁止される」という流れは、『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』(16)にも通じる。逆に言えば、こちらを観てから『Mr.インクレディブル』を観れば、よりビビッドに響いてくるということだ。
そういった意味で、ヒーロー映画の黄金期に突入した2018年に公開された『インクレディブル・ファミリー』は、いわば観客が温まっている状態。作品自体のクオリティの高さはもちろんだが、「時代が追い付いてきた」というアシストは少なからずあるだろう。
ちなみに、両作品を手掛けたブラッド・バード監督は、“空白”の14年の間に、『レミーのおいしいレストラン』(07)や『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11)などの快作を手掛けている。
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