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ピクサーおすすめタイトル7選+傑作短編! CGアニメがもたらす温かさと感動、そして抜群のストーリーテリング!
7.『リメンバー・ミー』(17)
これまでにも、『ムーラン』(98)では中国、『アナと雪の女王』(13)では北欧、『モアナと伝説の海』(16)ではポリネシアなど、「ご当地映画」を積極的に生み出してきたディズニー。本作もその系譜の一つと言えるだろう(ちなみに、ピクサーが先日製作を発表した新作『Luca』の舞台はイタリアだ)。
『リメンバー・ミー』は、メキシコを舞台にしたファンタジーだ。音楽が大好きな少年ミゲルが、ふとしたことから「死の国」に迷い込み、冒険を繰り広げるなかで自分の家族にまつわる驚きの事実を知っていく。死者との関係性が文化にまで高められたメキシコならではの物語といえよう。
本作はピクサー映画というよりも、ディズニー映画としての傾向が強い。その1つが、「歌」の存在。思えばピクサー映画には、ディズニー映画のお家芸といえる「ミュージカルシーン」があまり見られない。しかし『リメンバー・ミー』では、歌が過去と未来をつなぐキーワードとなっており、最大の見せ場となるシーンも弾き語りだ。
さらにはディズニー映画の特長である「動物がお助けキャラになる」という点もカバーされており、そもそもの「ご当地映画」である部分など、ディズニーの“らしさ”にピクサーの“描写力”が融合した印象を受ける。
『トイ・ストーリー3』で文字通り「世界を泣かせた」リー・アンクリッチ監督は、本作でも「親から子、先祖から子孫に受け継がれる愛情」を核に据え、時代を超えて届く“想い”の尊さを、ドラマティックに演出。ミゲルの家で音楽が禁じられていた切ない理由や、登場人物の関係性の変遷、音楽が響き渡る万感のフィナーレなど、エモーショナルなシーンが、メキシコの華やかな文化を象徴した色彩で飾り立てられる。
ちなみに、2017年といえば、メキシコが生んだ鬼才ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』も同年製作。アメリカにおけるメキシコのイメージは、トランプ政権下でより複雑なものとなり、この2作は観た者の中に、様々な感情を植え付けた。
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