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ピクサーおすすめタイトル7選+傑作短編! CGアニメがもたらす温かさと感動、そして抜群のストーリーテリング!
5.『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)
ピクサー作品のベストに、必ずと言っていいほど名が挙がる傑作。
これまでも多様なキャラクターを主人公に設定してきたピクサーだが、本作では「老人」を据えている。斬新ではあるが、この規模のアニメ映画で主人公の年齢層を上げてしまうのは、なかなかにチャレンジングでもあろう(ちなみに、敵役も老人)。
しかし、そこは『モンスターズ・インク』のピート・ドクター監督と、『ファインディング・ニモ』の脚本家でもあるボブ・ピーターソン。「最愛の妻を亡くした主人公が、思い出の詰まった家ごと空を飛び、妻との約束を果たす旅に出る」という、設定だけでホロリとさせられる設定を“発明”し、観る者を選ばないエンターテインメントに仕上げた。少年やイヌなど、周囲に可愛らしいキャラクターを配しているのも上手い。
そしてまた本作は改めて、ピクサー作品の核は“感情”なのだ、ということを証明した。おもちゃにも魚にも車にも“共感”させられるのは、そこで描かれる感情にシンクロするからだ。「1人の相手と長年連れ添い、亡くす」という経験をしていなくとも、主人公カールを理解し、応援したいという気持ちがむくむくと膨らんでいく。「妻への愛情」「少年への優しさ」「偏屈に見えて人間性にあふれている」など人物描写を細かく行うことで、観る者に愛される“共感のカギ”を大量に仕込んでいる。
カールがかつて憧れていた存在の“実態”を知ってしまい、対決する羽目になるというビターな展開や、孤独だったカールが少年やイヌに心を開いていくドラマなど、感情にマイナスな影響を与える出来事と、プラス面になる出来事が交互に起こるというつくりも巧み。
深い人生観をもうかがわせる含蓄にあふれた本作は各方面から絶賛され、アニメーション映画として『美女と野獣』(91)に続き、史上2度目のアカデミー賞作品賞の候補入りを果たした。
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