あらすじ⑤
タランスキーのビーチハウスを訪問していた娘のレイニーは、片時もノートPCを手放さず、今もギリシア神話の「ピグマリオン」について調べていた。そんな彼女に対し、タランスキーは「天気が良いから、PCを置いて外で食事しよう」と誘い出す。しかしビーチハウスの周囲は、おびただしい数のパパラッチたちが取り囲み、洋上には船まで出てこの家を撮影しており、その中にはあのセイヤーらもいた。
タランスキーはレイニーを車に乗せ、元妻であったエレインの豪邸に送って行く。彼女はケント(ジェフリー・ピアース)という男と再婚していた。エレインは、シモーヌが『永遠の彼方』の脚本にクレームを入れてこないことや、ギャラの増額を要求しないことを不振がっていた。タランスキーは、メイクやスタントもシモーヌが自分で行うし、体形は変わらないので、予備の衣装代も不要だと言う。エレインは、老練の監督が若手の女優に、たぶらかされているのではないかと心配していた。
やがて『永遠の彼方』のキャスティングが終了し、主要俳優たちを集めての顔合わせが行われる。当然そこにシモーヌはおらず、タランスキーは「君たちとシモーヌは、リハーサルも本番も別々に行う」と説明する。その代わりに、「彼女は挨拶がしたいそうだ」と説明すると、シモーヌの声がスピーカーから流れ「俳優の方々とだけで話したいから、監督は席を外して下さらないかしら。皆さん恥ずかしがらずに自己紹介をして下さいね」と語りだす(この部分は事前に学習させてあったようだ)。するとタランスキーは、大急ぎで自分専用ステージに向かい、シモーヌの声で会話の続きを行う。
やがて実写撮影も終了し、タランスキーが1人でコンポジット作業を行っていた。感情描写も音声指示で行われ、涙の量なども半自動処理される。やがて作業を打ち切ったタランスキーは、「この作品の公開と同時に真相を明かす予定だったが、その計画は撤回する。皆が君を本当の人間だと信じており、真実を暴露するのは残酷過ぎる」とモニターのシモーヌに語る。するとタランスキーは、シモーヌに「面倒なことになるわよ」と言わせる。