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大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。
第1位:『ワイルド・スピードMEGA MAX』(11) 監督:ジャスティン・リン 132分
シリーズのその後を決定づけた横綱的大傑作エンタメ
シリーズ第五作にして、過去の「ワイスピ」をすべて肯定し、同時にその後の「ワイスピ」の方向性を決定づけた大傑作。正直、二作目以降のシリーズは誰が見ても迷走を続けていた。
『MEGA MAX』が試み、そして大成功したのは、現実世界でのこれまでのゴタゴタも、過去に生まれた4作品のことも、すべてを否定せず、明るい未来像を提示したことにある。噛み砕いて言うと、『MEGA MAX』は過去にバラバラに登場していたメインキャラが一堂に会するお祭りであり、「これまでに関わってきた全員がワイスピ・ファミリーであります!」と宣言する力強いステートメントだったのだ。当然ながら「ワイスピ」シリーズが内包する疑似家族というコンセプトにもみごとに合致している。
そして同時に推進されたのが大幅なスケールアップ。序盤の断崖絶壁からのカーダイブ、リオデジャネイロのファベーラ(スラム街)を駆け回る命がけの逃走劇、あまりの力技に圧倒されるクライマックスの巨大金庫引きずりカーチェイスなど、息を呑まずいられない仰天アクションが目白押しだ。ドウェイン・ジョンソン扮するホブス捜査官が初登場したのも本作で、ヴィン・ディーゼルとロック様の巨漢同士のケンカ対決はゴジラとガメラが戦うくらいの興奮がある。
方向転換といえば、チーム・トレットの犯罪計画が「悪を懲らしめる」という爽快さを手に入れたのも本作が初。仲間たちを結集させて、極悪非道な悪党から巨大金庫を盗み出すという物語は、本来はケチな強盗団だったチーム・トレットを“義賊”に変えた。最近では正義の味方感が強まりすぎている感はあるが、『MAGA MAX』が痛快無比なエンタメとして完璧だったからこそ、現在の「ワイスピ」シリーズの興隆があるのだ。
そして『X2』のエヴァ・メンデスが一瞬だけ再登場し、「幽霊を信じる?」とホブスに死んだはずのレティの写真を差し出すラストのつかみも最強。筆者はあの瞬間、「このシリーズにずっと付いていきます!」と全面降伏した。シンプルなカーアクションだった初期を懐かしむ声もわかるのだが、五作目が一番面白いと思わせただけでも、数あるシリーズ物が成し得なかった映画史に残る偉業ではないだろうか。
今後も見逃せない『ワイルド・スピード』シリーズ!
ランキングをおさらいすると、
1位 『ワイルド・スピードMEGA MAX』
2位 『ワイルド・スピードSKY MISSION』
3位 『ワイルド・スピードEURO MISSION』
4位 『ワイルド・スピード』
5位 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
6位 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』
7位『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
8位 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』
9位 『ワイルド・スピードICE BREAK』
10位 『ワイルド・スピードX2』
11位 『ワイルド・スピードMAX』
になる。あくまでも極私的ランキングなので、もちろん異論や反論はあるだろう。今回加筆するにあたり2作品を足しただけでなく、前回から順位が入れ替わった作品もある。シリーズに長年つきあっているうちに、一作目や二作目の頃の素朴さが懐かしくなってきて、順位を上げたりもしたからだ。いや、二作目の位置は変わらず下から二番目だが、自分内評価はより上がってきている。
ちなみにロッテントマト(トマトメーター)の順位(2023年6月26日現在)は、
1位 『ワイルド・スピードSKY MISSION』81%
2位 『ワイルド・スピードMEGA MAX』77%
3位 『ワイルド・スピードEURO MISSION』71%
4位 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』68%
5位 『ワイルド・スピードICE BREAK』67%
6位 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』59%
7位 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』57%
8位 『ワイルド・スピード』55%
9位 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』37%
10位 『ワイルド・スピードX2』37%
11位 『ワイルド・スピードMAX』29%
ロッテントマト(オーディエンススコア)の順位(2023年6月26日現在)は、
1位 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』88%
2位 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』85%
3位 『ワイルド・スピードEURO MISSION』84
4位 『ワイルド・スピードMEGA MAX』83%
5位 『ワイルド・スピードSKY MISSION』82%(同率タイ)
5位 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』82%(同率タイ)
7位 『ワイルド・スピード』74%
8位 『ワイルド・スピードICE BREAK』72%
9位 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』69%
10位 『ワイルド・スピードMAX』67%
11位 『ワイルド・スピードX2』50%
IMDbの順位(2023年6月26日現在)は、
1位 『ワイルド・スピードMEGA MAX』7.3
2位 『ワイルド・スピードSKY MISSION』7.1
3位 『ワイルド・スピードEURO MISSION』7.0
4位 『ワイルド・スピード』6.8
5位 『ワイルド・スピードICE BREAK』6.6
6位 『ワイルド・スピードMAX』6.5(同率タイ)
6位 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』6.5(同率タイ)
8位 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』6.0
9位 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』5.9(同率タイ)
9位 『ワイルド・スピードX2』5.9(同率タイ)
11位 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』5.2
これらのランキングを勝手にポイント制にして総合順位を出すと
1位 『ワイルド・スピードMEGA MAX』
2位 『ワイルド・スピードSKY MISSION』
3位 『ワイルド・スピードEURO MISSION』
4位 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
5位 『ワイルド・スピードICE BREAK』
5位 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
7位 『ワイルド・スピード』
8位 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』
9位 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』
10位 『ワイルド・スピードMAX』
11位 『ワイルド・スピードX2』
という並びになる。筆者の極私的ランキングと上位がほぼ一致しており、ある程度は納得していただけるだろうか?
シリーズの今後の動きとしては、ルイ・ルテリエが続投するシリーズ本編の第11作にして『ファイヤーブースト』の続編『Fast X Part2(原題)』が2025年4月に全米公開。その前にホブス捜査官が主人公を務め、『Fast X Part2』への橋渡し的な内容になるという『Fast and Furious Presents: Hobbs and Reyes(仮題)』が公開される予定だ。すでに話題にのぼっている女性キャラたちがメインの番外編や、シャーリーズ・セロン演じるサイファーの単独作などのスピンオフ企画は本編が完結してから着手するとのこと。もちろん現在のレギュラーメンバーのゲスト出演も期待せずにはいられない。
シリーズ完結が『FAST X Part2』なのか、それともさらにもう一本作られるのかの正式発表はまだなく、「ワイスピ」はまだまだ終わりそうにない。みなさんも、自分のこだわりで勝手にランキングを作ってみてはいかがだろうか。そしてまだ「ワイスピ」にハマっていないという人には、この記事を少しでも参考にしてもらえると幸いです。
参考記事:
https://uproxx.com/movies/the-fast-and-the-furious-tokyo-drift/
https://www.cinemablend.com/new/Why-Paul-Walker-Almost-Quit-Fast-Furious-Franchise-70738.html