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大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。

(c)Photofest / Getty Images

大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。

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第5位:『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(19)  監督:デヴィッド・リーチ 136分


力のホブスと技のショウが手を組む豪快なスピンオフ


『SKY MISSION』では肉弾バトルを繰り広げたDSS捜査官ホブス(ドウェイン・ジョンソン)と元特殊部隊のデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)を、『ICE BREAK』でコンビにしてみたらなんだか相性が良かったので、急遽企画された「ワイスピ」シリーズ初のスピンオフ作品。


私見を言わせてもらうなら、本作は「ワイスピ」ではない。それはドミニクやチーム・トレットの仲間たちが登場しないから、ということではなく、「ワイスピ」の世界を支えていたギリギリのリアリティラインが放棄されているからだ。


ここでいうリアリティラインとは、「どれだけムチャな危険をかいくぐっても、登場人物はスーパーパワーを持った超人ではない」という暗黙の了解にある。例えば『EURO MISSION』で、ドミニクが高速道路で車からダイブして空中に投げ出されたレティをキャッチする。あんな離れ業は常識的に不可能だとわかっていても、愛するレティを救うための決死のダイブだと思うからこそ盛り上がる。ドミニクとレティが不死身であれば、そもそもが成り立たたないアクションのだ。


一方『スーパーコンボ』は、ワイスピ・ファミリーの中でもとりわけ超人感のあるホブスとショウが手を組んで、ハイテク技術で超人化した元傭兵のブリクストン(イドリス・エルバ)と闘う話であり、「こいつら絶対死ぬわけない」感が半端じゃないのだ。不死身+不死身VSサイボーグ。もはや「ワイスピ」というよりSFモンスター映画に近い。ドウェイン・ジョンソンなら『ランペイジ巨獣大乱闘』(18)や『カリフォルニア・ダウン』(15)、ステイサムなら『MEGザ・モンスター』(18)や『アドレナリン:ハイボルテージ』(09)あたりと並べて語れるべきだろう。


しかし、それゆえに、『スーパーコンボ』は独自性を獲得した快作となった。“殺しても死ななさそう”ランキングがあればハリウッドで一位二位を争うであろうロック様(ドウェイン・ジョンソンの愛称)とステイサムの持ち味を生かした、リアリティや常識から解き放たれたアクションが満載なのだ。


ホブスが筋肉とチェーンで飛んでいるヘリコプターを引きずり降ろそうとするシーンなんて、いくら荒唐無稽さが増している「ワイスピ」でも禁じ手だと思うが、基本的なトーンがコミカルなことも手伝って、観る側としても「筋肉にねじ伏せられてもいいかな」と思ってしまう中毒性がある。ロック様とステイサムが「どっちか不死身か?」比べをするような最終バトルのコンボ技は完全にコントだが、それでも勢いとテンションが勝っていて、拳に力を込めずにはいられない。


また、デヴィッド・リーチ監督人脈のライアン・レイノルズ、ロック様人脈でケヴィン・ハートとゲストも異様に豪華。監督と『ジョン・ウィック』(14)繋がりからか、敵組織のボス役でキアヌ・リーヴスにオファーしていたという話もある。「ワイスピとは別ラインのワイスピ」として、ちゃんと続編が作られてほしいところだ。





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