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大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全9作品を勝手にランキング!サーガの終わりと新たな始まりが見えてきた! ※注!ネタバレ含みます。

(c)Photofest / Getty Images

大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全9作品を勝手にランキング!サーガの終わりと新たな始まりが見えてきた! ※注!ネタバレ含みます。

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第7位:『ワイルド・スピードICE BREAK』(17)  監督:F・ゲイリー・グレイ 149分


頼れる兄貴ドミニクが仲間を裏切る掟破りのサプライズ編


目下のところのシリーズ正編の最新作である8作目。『MEGA MAX』以降に進んだ超大作化路線も「ここまできたか!」と口をあんぐり開くしかないド派手な見せ場のオンパレードだ。


「ワイスピ」初ロケのニューヨークで、遠隔操作された無人カーが大量に押し寄せる“ゾンビタイム”はほとんどSF状態だし(律儀にシートの仮装をしたスタントドライバーが実車を走らせたメイキングが可笑しい)、クライマックスの原子力潜水艦との死闘や、平行して描かれる航空機内でのジェイソン・ステイサムの“ゆりかごバトル”など、ケチな強盗団のカーアクション映画だった一作目を思えばはるか遠くへ来たものである。


今回チーム・トレットの前に立ちはだかるのは、なんとチームの精神的支柱であるドミニク。仲間を裏切り、邪悪なサイバーテロリスト、サイファー(シャーリーズ・セロン)のもとに走るというアイデアはかなりの飛び道具だが、8作目ともなればそれくらいの無茶も許容範囲。むしろ安全圏に留まらずファンの予想の先を行こうという制作陣の姿勢が頼もしい。


チーム・トレットはもはや世界を救うミッションに従事する正義の味方になってしまっているが、かつて大怪獣ゴジラが悪役から善玉にベビーターンしたように、右肩上がりのシリーズ人気を思えば必然的な変化かも知れない。


ただ、筆者が納得いかないのがステイサム演じるデッカード・ショウの扱い。ショウは『EURO MISSION』の敵オーウェンの兄として『EURO MISSION』のラストに初登場。東京にいたハンを殺害し、ホブス(ドウェイン・ジョンソン)を病院送りにし、執拗にドミニクたちの命を狙った仇だ。「昨日の敵は今日の友」で共闘する展開があっても構わないし、前述の“ゆりかごバトル”はステイサムの身体能力があってこそ実現した最高のアクションシーンだが、まるでハンの死などなかったかのようにドミニクとショウが握手をしてしまうのは承服できない。


仲間たちをファミリーとして何よりも大切にしてきたのがドミニクであり、この一件はファンの間でも大きな物議を醸した。そして脚本のクリス・モーガンの「ハンのために正義は下す」宣言や、ステイサムの「ショウには決して償えない過ちがある」という発言に繋がり、さらには『EURO MISSION』を最後に離脱していたジャスティン・リン監督まで復帰を決意するきっかけになったのだから、ことの重大さが伺えるというものだ。


さらに言えば、セミレギュラー的存在だったエレナ(エルサ・パタキー)を、いかにも物語の都合で殺してしまったことも残念ポイント。シリーズに関わった全キャラクターをリスペクトするという新方針が『MEGA MAX』以降のシリーズを復活に導いたと思っているが、『EURO MISSION』以降のエレナは、制作側が便利に使い捨てにできるキャラクターになってしまった感がある。まあ「ワイスピ」のことだから「実は生きていた!」と言い出しても驚きませんが。


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