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大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。

(c)Photofest / Getty Images

大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。

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第8位:『ワイルド・スピード ジェットブレイク』(21)  監督:ジャスティン・リン 143分


ついに宇宙にまで進出、しかもクルマで!


三作目から『スーパーコンボ』までの脚本を手がけたクリス・モーガンは、冗談混じりとはいえ「ワイスピが行く着く先はもはや宇宙しかない」という噂話を否定しなかったが、ついに本当に宇宙に行ってしまった9作目(ただしモーガンは脚本を担当していない)。以前の記事で「もし宇宙に行くとしたら「ワイスピ」ファミリーではなく『スーパーコンボ』のホブス&ショウではないか」と書いたが、本家のほうが本当に宇宙に行ってしまった。それもクルマで!


ヴィン・ディーゼルはかねてから「ワイスピ」は10作目で完結すると発言していて、後に10作目が前後編に拡張され、さらには三部作になるかも知れないと言い出しているのが現状だが、『ジェットブレイク』は終幕に向けてトレット一家の過去を掘り下げるところから始めて、ドラマ部分を強化している。なぜ若き日のドミニクは刑務所に入ったのか、一作目ではセリフだけで語られていた逸話を現在のストーリーと並行して描いているのだ。


さらに、因縁あって出奔したという設定のドミニクの弟ジェイコブ(ジョン・シナ)が初登場し、チーム・トレットの敵となる。肉親の愛憎が絡んだ非常事態を見過ごしてはならぬと、前作はお休みしていたドミニクの妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)も復帰。それどころか、死んだはずのハンまで生きていたことになり、よくも悪くも「ワイスピ」のなんでもアリ!感が頂点に達した作品といえる。


シリーズ完結を見据えてジャスティン・リンが監督に復帰したこともファンには朗報だったが、肥大化するアクション、増え続けるキャラクター、『TOKYO DRIFT』のショーン(ルーカス・ブラック)らの再登場、ドムたちの父親でストックカーレーサーだったジャック(J・D・バルド)のエピソードまでこなすとあって、いささかとっちらかった印象は否めない。


とはいえ宇宙に飛び出すのがドミニクではなくテズとローマンだったという人選が、バカバカしいけれど素晴らしい。自動車の隙間に目張りをして密封して宇宙に送り出すというムチャクチャな設定も、宇宙空間をぷかぷかと浮かぶ呑気な絵面も、乗っているのがドミニクであればさすがに「ワイスピ」の世界観は崩壊したのではないか。


しかしコメディリリーフ的な役割が強いテズとローマンであれば、このとびきりバカげたシチュエーションも笑って見ていられるし、それでも地球を救うために命を投げ出そうと決意するくだりにはグッと涙腺を刺激される。もはや「ワイスピ」はキャラごとに別々のリアリティラインを持つまでに至っていて、その振れ幅の大きさは今後のスピンオフ展開にも大いに役に立つのではなかろうか。





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