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『スパイダーマン』シリーズまとめ トビー×サム・ライミ、アンドリュー×マーク・ウェブ、トム×ジョン・ワッツ 3バージョンで楽しもう!

(c) & ™ 2021 MARVEL. (c)Photofest / Getty Images

『スパイダーマン』シリーズまとめ トビー×サム・ライミ、アンドリュー×マーク・ウェブ、トム×ジョン・ワッツ 3バージョンで楽しもう!

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5.『アメイジング・スパイダーマン2』(14) 監督:マーク・ウェブ





エレクトロ(ジェイミー・フォックス)、グリーン・ゴブリン(デイン・デハーン)、ライノ(ポール・ジアマッティ)といった敵が登場するシリーズ第2作。世界興収は『スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの中では最低になってしまったが、それでも7億ドルと健闘。本作もまた、愛すべき1作だ。


一例を挙げるなら、エレクトロのキャラクター。孤独を抱えて生きる彼は、スパイダーマンに“認知”された喜びから重度のファンに。しかしその想いがねじれてしまう展開は、なかなかに切ないものがある。誕生日を一人で祝う「ハッピーバースデー・トゥ・ミー」のシーンや、タイムズ・スクエアのオーロラビジョンに映る自分の姿がスパイダーマンに上書きされ、承認欲求が爆発してしまう展開などは、SNS全盛期のいま観ると、より訴えかけてくるだろう。


また、ピーターがブルックリン・ブリッジに糸で「I LOVE YOU」のメッセージを作るシーンは、多くの観客をときめかせた。前作から続く“お洒落ライン”がきっちりと保たれており、ミステリー面では父の失踪の真相解明も大きく進展する。


そして、本作はこれまでのシリーズで最もハードな展開が待ち受けている。ピーターが経験するのは、最愛の人の死。しかもヴィランに襲われた結果、救いの手が間に合わないという、なんとも心痛な展開だ。悔恨と喪失感で自暴自棄になったピーターがそれでも立ち上がるラストシーンには、ヒーローの高潔さを感じずにはいられない。救いを求める人がいる限り、歩みを止めない――。ある種、スーパーヒーロー映画の到達点ともいえる名場面だ。


本作は当初第3作、4作も製作予定だったが、スパイダーマンのMCU入りが決まり、打ち切りになってしまった。実に悲しい幕切れだが、キャストたちは大きく飛躍を遂げた。アンドリュー・ガーフィールドは『ハクソー・リッジ』(16)でオスカーノミネートを果たし、以降は『沈黙 -サイレンス-』(16)や『アンダー・ザ・シルバーレイク』(18)といった作家性の強い作品に出演。ミュージカル映画『チック、チック…ブーン!』(21)の好演も記憶に新しい。


エマ・ストーンは『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)の演技が激賞され、『ラ・ラ・ランド』(16)でオスカー女優に。『101匹わんちゃん』のヴィランを実写化した『クルエラ』(21)はシリーズ化も発表された。





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