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『とら男』村山和也監督 未解決事件のその後を、本物の元刑事主演で描く 【Director’s Interview Vol.242】

(C)「とら男」製作委員会

『とら男』村山和也監督 未解決事件のその後を、本物の元刑事主演で描く 【Director’s Interview Vol.242】

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実際に起きた殺人事件をモチーフにした犯罪映画は多いが、村山和也監督の『とら男』は過去に例を見ない試みだ。主演を務めたのは、1992年に金沢で起きた未解決事件を追っていた本物の元刑事、西村虎男氏72歳。30年に及ぶ刑事人生で唯一犯人を逮捕できなかった悔恨を抱え、再び真犯人と対峙しようとする姿を描いている……のだが、体裁としてはドキュメンタリーではなく劇映画。果たしてどこまでがリアルで、どこまでがフィクションなのか? 虚実が複雑に交錯する問題作で長編デビューを飾った村山監督に、今、何を問おうとしているのか、その思いを聞いた。


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製作委員会=監督個人



Q:村山監督が2017年に発表した『堕ちる』は、短編でありながら劇場公開されて話題を呼びました。『とら男』も『堕ちる』と同じようにご自身で自主配給をされているのですか?


村山:『堕ちる』の時は完全に自主配給で、自分で映画館をブッキングして宣伝も自分でしました。『とら男』は去年、TAMA NEW WAVEという映画祭で上映されて、その時に観てくれていた宣伝マンの人と一緒にやることになって、全部が自主というわけではないですね。僕、公開前にマスコミ試写をやるとかも全然知らなくて、チラシとか劇場パンフレットとか、そういうところもその人に入ってもらっています。



『とら男』(C)「とら男」製作委員会


Q:とはいえ今回の映画に関しては、自費で作った自主映画ですよね?


村山:そうです。一応「とら男製作委員会」って書いてるんですけど、製作委員会=僕個人です。『堕ちる』の時に©が個人名だと登録できない映画のデータベース的なところがあって、団体名にしないとっていうので製作委員会にしました。あと今回は映画のネタがネタなので、下手にクラウドファンディングして上映中止になっても困るというか、制約が出てきそうだったんで、それは最初からやるつもりはなかったんです。


Q:それは出資する人間が多くなることで、なにかしらのもめ事が起きるリスクを想定していた、ということですか?


村山:はい。それで100%自己資金で、プロデューサーも自分でやった感じです。





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