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『とら男』村山和也監督 未解決事件のその後を、本物の元刑事主演で描く 【Director’s Interview Vol.242】

(C)「とら男」製作委員会

『とら男』村山和也監督 未解決事件のその後を、本物の元刑事主演で描く 【Director’s Interview Vol.242】

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事件を捜査した元刑事との出会い



Q:この事件を映画化しようと思ったきっかけは?


村山:やっぱり、(西村)虎男さんと出会ったことが一番大きかったですね。


Q:虎男さんが出版された電子書籍「千穂ちゃんごめん! 実録・殺人事件捜査の裏に隠された真実」は先に読まれていたんですよね。


村山:実際の事件をベースにした映画って山ほどあるじゃないですか。もともと、この事件を映画にしてみたい気持ちがあって、「千穂ちゃんごめん!」は、『堕ちる』をやっていた2017年くらいには読んでいました。自分のアマゾンの履歴をみたら2014年には昔出た記事のバックナンバーを注文していたので、結構前から調べてはいたんです。ただその時点では、ドキュメンタリーや実録ものではなく、劇映画のヒントになればくらいの気持ちでしたね。


でもなかなかまとまらず、一応、元刑事が女子大生と一緒に事件を追うバディものみたいなざっくりした話は作って、70ページくらいの脚本にして東京フィルメックスのコンペに応募もしたんですけど、特に引っかかりませんでした。じゃあどうしようかって思っていても時間ばかりが過ぎていくので、とりあえず動き出そうと思ったんです。仕事がちょっと空きそうな時期があったので、仕事仲間のカメラマンとまずロケハンしようかみたいな感じで金沢に行って、虎男さんにも会ったんです。



『とら男』(C)「とら男」製作委員会


Q:虎男さんの著作「田舎爺がベスト男優賞?」では、村山監督からのメッセージに半年間気づかなかったと書かれていましたね。


村山:映画の参考に虎男さんの話を聞いてみたいと思って一回連絡したんですけど、半年間返事が戻ってこなくて……。ようやく返事がもらえて、ロケハンのついでに会いに行きました。虎男さんに話を聞いたことで得たことがあって、僕としてはそれをどう表現すればいいのかと考え込んで、自分でもいろいろとリサーチに動いたんです。映画に出てくるもうひとりの主人公のかや子みたいに、自分で再捜査をしていたような感じでした。


最初に会った時に、虎男さんが僕になにかを託そうとしたかはわからないですけど、時効になって十何年の事件で、もう何もできない状況があって、僕が地元出身というのもあって、たぶん託されたのかも知れないという感じはありました。そこから本当に動き出したというか。結局、撮影を始められるまでに一年半くらいかかりましたね。





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