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スティーヴン・スピルバーグ監督作品まとめ 映画史の王道を歩むキング・オブ・ハリウッド

スティーヴン・スピルバーグ監督作品まとめ 映画史の王道を歩むキング・オブ・ハリウッド

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スティーヴン・スピルバーグ監督作品 1980年代



5.『1941』(81)118分


オープニングから『ジョーズ』をセルフ・パロディしてしまう脚本センスは、さすがロバート・ゼメキス&ボブ・ゲイル。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)脚本コンビによるハチャメチャなシナリオが、真珠湾攻撃直後のロサンゼルスを舞台にスパークする。頭から尻尾までナンセンスな戦争映画。スウィンギンなダンスパーティのシーンは、今思えば『ウエスト・サイド・ストーリー』の前哨戦か。我らがトシロー・ミフネの豪快演技にも注目。




6.『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)115分


「007みたいな映画を撮りたいんだ!」というスピルバーグに対し、ジョージ・ルーカスが「もっといいオリジナル企画がある!」とプレゼンしたことから始動した、記念すべき「インディ・ジョーンズ」シリーズ第一弾。スピルバーグといえば、“きっちり予算内でスケジュール通りに撮る監督”というイメージが強いが、本作のルーカス製作術から学んだものは大きい。ナチスの顔が溶けたり爆発したりと、スピルバーグらしいゴア描写も抜かりなくインサートされている。


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7.『E.T.』(82)115分 / 120分(20周年アニバーサリー特別版)


説明不要にして、問答無用のスピルバーグ代表作。『スター・ウォーズ』(77)を抜き、当時の世界興行収入ナンバーワンを記録するスーパーヒットとなった。カメラをロー・ポジションに固定し、子供の目の高さで異星人との交流を描くというアイデアが天才的。カゴにE.T.を乗せた自転車が空を舞う超有名シーンは、スピルバーグの製作会社アンブリン・エンターテインメントのロゴ・タイトルにもなっている。いつ観てもドリュー・バリモアの絶叫芝居が上手すぎ!


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8.『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)101分


『ブルース・ブラザース』(80)のジョン・ランディス、『ピラニア』(78)のジョー・ダンテ、『マッドマックス』(79)のジョージ・ミラー、そしてスピルバーグの若手映画監督4人によるオムニバス映画。スピルバーグが演出したのは、第2話の『真夜中の遊戯』 。元々はモンスターが暴れる作品を撮る予定だったが、ジョン・ランディスが演出した第1話の撮影中に死亡事故が発生した状況を受け、老人たちが魔法によって子供に返っていくファンタジーに変更した。魔法を使わずとも子供のまんまのスピルバーグらしい題材と言える。




9.『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)118分


「インディ・ジョーンズ」シリーズ第二弾。サルの脳みそのシャーベットを食べさせられたり、人間の心臓を素手で抉り出したり、残酷描写のオンパレード。17歳未満は保護者の同伴が必要となる「R指定」に設定されたことにスピルバーグが猛反発したら、新しく「PG-13」というレーティングが生まれたという逸話もアリ。インディの小さな相棒ショート・ラウンドを演じるのは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)で今やアカデミー賞俳優となった、キー・ホイ・クァン。


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10.『カラー・パープル』(85)154分


ピューリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説を、スピルバーグが映画化した人間ドラマ。人種差別や性差別が蔓延していた20世紀初頭のアメリカ南部を舞台に、ある一人の女性が逞しく生き抜いていく。ややお伽話のようなタッチで描いてしまったのは失敗だったか、アカデミー賞で作品賞を含む10部門にノミネートされたものの無冠に終わっている。主人公のセリーを演じるウーピー・ゴールドバーグは、本作がスクリーン・デビュー。




11.『太陽の帝国』(87)151分


日本軍占領下の上海で、両親と離れ離れとなったイギリス人少年ジムが、あらゆる困難に負けずサバイヴしていく歴史ドラマ。殺人兵器の零戦に憧れてしまうジムの無邪気さは、その加害性を知りつつ映像メディアにのめり込んでいく『フェイブルマンズ』と同趣の構造。善悪の彼岸を超えて、スピルバーグは美しいものに惹かれる人々の姿を映し出す。それにしても主人公を演じるクリスチャン・ベールが、後に“ダークナイト”バットマンになろうとは!


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12.『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(89)127分


『未知との遭遇』や『E.T.』で“父親の不在”を描いてきたスピルバーグが、“父親と子の和解”をテーマに選んだ「インディ・ジョーンズ」シリーズ第三弾。初代ジェームズ・ボンドで知られるショーン・コネリーを筆頭に、『007 ユア・アイズ・オンリー』(81)で悪役を演じていたジュリアン・グローヴァー、『007 美しき獲物たち』(85)のボンド・ガールだったアリソン・ドゥーディなど、実はキャスティングが「007」オマージュになっている。


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13.『オールウェイズ』(89)123分


1943年にスペンサー・トレイシー主演で製作された『A Guy Named Joe(ジョーと呼ばれた男)』のリメイク。事故で命を落とした森林火災消防隊のパイロットが、ゴーストとして現世に蘇り、恋人を見守るというファンタジックなラブストーリー。スピルバーグ初期映画の<顔>として登場してきたリチャード・ドレイファスが、銀幕の妖精オードリー・ヘプバーンと邂逅するのは、映画史的必然なのかも。ちなみに本編のヒロインを演じるホリー・ハンターの元夫は、スピルバーグ作品を長年支え続けてきた撮影監督のヤヌス・カミンスキー。


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