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大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。

(c)Photofest / Getty Images

大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全11作品を勝手にランキング!最新版 サーガはいよいよクライマックスに! ※注!ネタバレ含みます。

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2020年5月に「大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』全9作品を勝手にワイスピランキング!サーガの終わりと新たな始まりが見えてきた!」という記事を執筆したが、その後、ワイスピはさらなる新展開を見せ、現在はスピンオフを含めると全11作品に増えた。さらに前後編とされていた完結編が三部作になるかもとか、2025年4月公開予定の次回作の前にロック様単独主演作が挟まるとか、シリーズ全体にかかわる新情報が続々と明かされている。


壮大なプロジェクトの全貌が判明するのはまだ先だが、新規2作品を加えて「勝手にワイスピランキング!」を加筆改訂増補版としてアップデートします。誰の総意でもない筆者基準、ネタバレありでやりますのでご了承ください!


Index




第11位:『ワイルド・スピードMAX』(09) 監督:ジャスティン・リン 107分


オリジナルキャストを再結集させて大ヒットした軌道修正作


明らかに迷走していたシリーズを立て直すべく、ヴィン・ディーゼルを再招聘してプロデューサーに据え、第一作のメインキャストを再結集させた四作目。監督と脚本はシリーズ復活の立役者と呼ぶべきジャスティン・リンとクリス・モーガンで、興行的にも成功してシリーズ起死回生の先駆けとなった。


しかし、序盤でミシェル・ロドリゲス扮するレティが死亡(『MEGA MAX』で生存していたことが判明はするが)、ドミニクが復讐のためにロサンゼルスに舞い戻るという陰鬱なストーリーや、クライマックスのカーチェイスを地下の坑道という閉鎖空間にしたせいで、ワイスピらしくちゃんと実車を走らせたのに合成に見えてしまうことなど、爽快感はシリーズで一番薄い。


とはいえ冒頭のパナマでのタンクローリー強奪シーン(実際の撮影地はドミニカ共和国)は素晴らしく、ドミニク、レティ、ハン(サン・カン)とカーラ(ミーシャ・ミッシェル)、レオ(テゴ・カルデロン)とサントス(ドン・オマール)による6人編成チーム・トレットの活躍が見られるのも本作だけのお楽しみ。そしてガル・ガドット演じる峰不二子的なワケあり美女、ジゼルの初登場作という点でも記憶されるべき一本だ。いまやDCヒーローのワンダーウーマンとして世界に知られるガル・ガドットだが、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)に出演する以前は、ほとんど「ワイスピ」でしか観ることのできない存在だった。


前述のレティの死については、ヴィン・ディーゼルは当初から三部作として構想していたと語っているので、続く『MEGA MAX』『EURO MISSION』の流れを踏まえて評価するべきかも知れない。しかし単体の作品としては、レティの死はシリーズ物が陥りがちな「お話を盛り上げるためにメインキャラの命を軽視する」悪癖以上のものには見えないし、ファンの気持ちを高揚させてくれないまとまりを欠いたプロットも減点対象としたい。




第10位:『ワイルド・スピードX2』(03) 監督:ジョン・シングルトン 108分


大人の事情が見え隠れするワイスピ版「マイアミ・バイス」


ヴィン・ディーゼルは「前作と繋がりのない雑な脚本に嫌気がさした」とコメントしているが、とにかく主演スターのひとりが2,500万ドルのギャラを蹴って降板してしまった第二作。後に「ファンのために最良のものにする努力をすべきだったかも知れない」と反省も口にしているが、明らかに当時のディーゼルの気持ちは『トリプルX』(02)や『リディック』(04)に向いていた。


結果としてブライアン役のポール・ウォーカーの単独主演となり、今度はマイアミの麻薬組織を潜入捜査するという一話完結タイプのエピソードで、ある意味で毎回リセットされる昔ながらのシリーズものっぽい趣向。それこそがまさにディーゼルが不満に思った部分だったのかも知れないが、原色がきらめくマイアミでの潜入捜査はどこかお気楽なトーンが貫かれていて、なかなかに可愛らしい作品になっている。


最近のシリーズでの臆病者扱いを思えば信じがたいが、ドミニク不在の穴を埋めるべく投入されたのがタイリース・ギブソン扮するローマン。ブライアンとは一度決別した幼なじみという設定で、ふたりが友情を取り戻すまでのバディムービーとしてもちゃんと成立している。ちなみにラッパーのリュダクリス扮する調達屋テズも本作が初登場だ。


監督のジョン・シングルトンはストリートギャングが闊歩するロサンゼルスのサウスセントラル地区に育ち、実体験をベースにした『ボーイズン・ザ・フッド』(91)でデビュー。『ワイルド・スピード』一作目を観てこれは自分が知っている世界だと感じたという。ところが舞台はアメリカ大陸を挟んだ反対側のマイアミになり、シングルトンらしい生々しいストリート感があまり感じられないのは惜しい。


世評もあまり高くはないが、シリーズものとしてこういう肩肘張らない方向性もあったかも知れないという意味で、改めて再評価されていいのではないだろうか。





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