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『シモーヌ』生成AIを予見した驚くべき先見性(後編) ※注!ネタバレ含みます

(c)Photofest / Getty Images

『シモーヌ』生成AIを予見した驚くべき先見性(後編) ※注!ネタバレ含みます

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あらすじ⑧



 そしてついに、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムにおいて、シモーヌのライブコンサートが実施される。イベント業者たちには、彼女のサイン入りポートレートをプレゼントし、観客にも仕掛けを見破らせないように、当日はカメラ・双眼鏡の類が持ち込み禁止にされた。


 そしてタランスキーはツアートラックに一人陣取り、本番ギリギリまでシモーヌのヘア・メイク・衣装のデザインを行っていた。これも細かく指定するのではなく、(生成AIのような仕組みで)自動的にデザインされたものを、タランスキーが良し悪しを判定するという仕組みだ(このシーンはBUF社によるフォトリアルなCGで表現される)。 


 そしてナレーターが「タランスキー・プロ提供:シモーヌ・デビューコンサート」の開幕を知らせ、タランスキーがHOLOGRAMというキーを押すと、ステージに立ち込めた大量のスモークに、レーザーでシモーヌの立体映像が投影される。同時にステージ上の大型ビジョンにシモーヌのビデオ映像も表示され、これは衛星経由で東京、インド、エジプトなどにも同時中継された。10万人の観客は陶酔して踊り、その中にはエレインとレイニー、さらにセイヤーとミルトンもいた。(*6)


 無事コンサートが終了し、タランスキーはツアートラックの中で、関係者へのプレゼント用に、自分の唇に口紅を塗りたくって、シモーヌのポートレートにキスマークを付けている。そこに突然の訪問者が来て、タランスキーは動揺する。訪ねて来たのはエレインとレイニーだった。エレインは「どうしても挨拶したい」と言うと、タランスキーは「彼女は疲れて休んでいるから駄目だ」と拒否する。エレインは彼の唇の赤さを見て、何か察したようだった。


*6 なお、このコンサートのシーンは、本作の欠点と言えよう。マジで考えれば、タランスキーがカッコ良く歌ったり踊ったりは出来ないはずで、必ず本職の歌手を雇う必要があったはずだ。しかしそれを行えば、シモーヌの正体がバレてしまう訳で、ストーリー上この部分はボカされている。また、タランスキーに作曲の才能はないだろうし、その演奏を誰がやっているかという点も描かれていない。しかし、それはあくまでも劇中の設定における穴であり、現在の生成AI技術であれば、作曲・演奏・歌唱・振り付けなども自動で処理してくれるだろうから、問題ないとは言える。





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